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夢幻の残響

二次創作なんかを書いてみたり。

永遠神剣之章:30.進む先、立ち塞がるもの。

 『剣』の中に突入した俺達が見たのは、永遠神剣をモデルに創られたとは思えないような機械じみた機構。明らかにコンピュータとしか思えないものがあると思えば、巨大な歯車が音を立てて回っている、不可思議な、それでいてメカニカルな構造だった。

 ……っ、眼を奪われている場合じゃない。首を振って気を取り直し、先へと進む。
 『剣』の内部、中央部分は巨大な吹き抜けになっており、側面沿いに恐らくミニオンのためのものだろう、大人が二人並んで通れる程の通路が坂を描いて続いている。俺達はその坂を、先頭に俺とルゥ、中列にゼゥとポゥ、後列にミゥとワゥの並びで駆け登り、リーオライナは彼女の持つ真剣『怨恨えんこん』の力だろうか、空を飛べるので、俺達の横、吹き抜けの部分を飛んで──無論、敵からの狙撃等で狙われないよう、なるべく俺達の近くを、だ──フォローしてもらう。
 しばらく坂を登って行った所で、恐らくは剣の端……刃の部分に当たる場所だろう、踊り場の様な少し広い折り返しの為の空間があり、そこに6名のミニオンが待ち構えているのが見えた。
 ……なるほどね。狭い通路を登ってきた俺達を広いところで待ち受ける。
 こっちはこの通路の狭さ故に否応無く二列にならざるを得ず、対して向こうは存分に多人数で相対し、数の有利を作り出せるって訳か。……相手の意図が解っていつつも、今はそれに策を講じる余裕も無いのが哀しいところだ。
 チラリと右横を併走するルゥの顔を見ると、丁度彼女も俺の方を見た所のようで、目が合った俺達はコクリと頷き合う。どうやら考えている事は一緒のようだ。

「いっけー!『ファイアーボール』!!」
「……ふっ!」

 直後、俺達の後ろからワゥの声が聴こえ、頭上を越えてミニオンの只中へと打ち込まれる神剣魔法。そしてそれに合わせる様に、左に並んで飛んでいたリーオライナが、その先端に四つの突起が付いた円筒状の神剣、『怨恨』の先からマナの弾丸を打ち出した。
 2人の攻撃は違わずミニオン達の中心へと着弾し、『ファイアーボール』とマナの弾丸がぶつかり、弾け、火炎と衝撃波を撒き散らす。その間に俺とルゥは速度を上げ、ミニオン達がワゥとリーオライナの攻撃を避けるために左右に分かれた為に生まれた、ぽかりと空いた隙間へと飛び込んで背中合わせに武器を構える。

「ルゥ、背中は任せる!」
「任された!」

 相対するミニオンは2人。その直後、左側──俺達が登ってきた坂の方──から武器のぶつかり合う音が聴こえた。続いて敵陣に飛び込んだゼゥとポゥが、それぞれ敵と矛を交えたのだろう。

「うおおお!!」

 俺は双剣状にした『観望』の左の刃で、突き込んで来た緑ミニオンの槍を受け流しつつ、右の刃で青ミニオンへと斬り付ける。
 青ミニオンはそれを剣を立てて受け止め、その隙に緑ミニオンが再度槍を突いて来る。
 俺はそれを緑ミニオンへと踏み込むように躱し、肉薄されるのを嫌った相手が僅かに下がった隙に、踏み込む方向を変えて青ミニオンへ。
 右、左と左右の剣を連撃で振るい、防ぎ切れなかった左の刃が、青ミニオンの腕に浅く入った。
 その直後、緑ミニオンの槍が横薙ぎに振るわれるのが見え、俺はそれを『オーラフォトンバリア』を生成して受け止める。
 槍にまとわりついた緑マナとオーラフォトンバリアがぶつかりあい、バチリッと火花にも似たマナの光を散らした。
 一進一退。攻撃を防ぎ、防がれつつも、俺は左右のミニオンへと休むことなく斬りかかった。
 ルゥが任せろと言ったのだから、後ろは大丈夫。ゼゥが受け持ってくれているのだから、左は気にしない。ただ前の2体に集中すべし!
 幾度と無く剣戟を繰り広げ、戦線を維持しつつも、防ぎ、防がれ、斬り付け、斬り付けられ、俺と2人のミニオンは、互いに小さな傷を作りつつ、攻防を繰り返した。
 ……って言うかこいつら強えぞ!?
 こいつら実はエターナルアバターじゃ──ミニオンは、生み出す人物や環境によって、色々と呼び名が変化する。エターナルアバターはその名の通り、エターナルに生み出されたミニオンだ──ないだろうな、なんて思いつつ、突き出された緑ミニオンの槍を下から掬い上げるようにかち挙げ、空いた腹に左の刃で斬り込むと、敵のマナの力場と神剣の刃がぶつかり合って火花を散らす。
 その隙を突いて上段から斬り込んで来た青ミニオンの刃を受け止めたところで、ズガンッ! と言う豪快な音と共に、槍を構え直して居た緑ミニオンの右腕が爆ぜた。
 チラリと左側を見ると、神剣を構えているリーオライナの姿。どうやら今のは彼女の援護射撃のようだ。有り難い! ……と思った瞬間眼に映る、ウサミミを模した様なぴょこんと跳ねた長いリボンと、ふわりと後ろに流れる黒いツインテール。
 一足早く敵を倒したゼゥが、リーオライナの攻撃で怯んだ緑ミニオンに斬りかかったのを視界の端に収め、俺はその意識を青ミニオンに絞り、相対す。
 左の刃で突きこみ、防がれた所で右の刃で胴を狙う。それを一歩下がってかわされるも、こちらも一歩踏み込み、返す右の刃で横薙ぎにする。と、青ミニオンのマナのブロックと刃がぶつかり合うが、流石に防御に長けた緑ミニオンのようには行かなかったか、『観望』の刃が敵のブロックを抜いて浅い傷を作った。
 ──いくら感情に乏しいミニオンといえ、傷が出来れば動きが鈍る。つまりは隙が出来た。それを認識した瞬間にさらに一歩踏み込みつつ、左右の刃へオーラフォトンを巡らせ、交差する様に振りかぶり──

「はあああ!!」

 振り抜く!!
 両刃が交差するように敵を斬った瞬間、巡らせたオーラフォトンが互いに干渉・反応して衝撃を生み出し、斬撃と共にマナが炸裂する衝撃を与えてダメージを倍加させる。
 世刻の技のクロスディバイダーを参考にさせてもらったが──あちらは双剣を打ち合わせて共鳴させた衝撃だが──うん、存外うまく行った。
 恐らくそれまでの攻防で大分消耗させていたのだろう、今の一撃が止めとなってマナの霧となるミニオンを見送り、周囲の様子を見ると、どうやら他の皆も戦闘を終えたようだ。
 ……と、俺達をふわりとした光が包み込み、今の戦闘で負っていた浅い傷が消えていった。
 ああ、レーメの回復アーツか。
 アーツによる回復では、消耗したマナの補充をすることはできないけれど、今の戦闘でそこまで消耗したわけでもないので、ポゥの負担を減らすためにもレーメが回復を請け負ったのだろう。

「……ふぅ、それにしても、随分強いミニオン達だったわね」
「ん……やっぱりゼゥもそう思ったか?」

 そう訊くと、ええ、と返って来る。

「まぁ……敵の本拠地、と言うか、重要拠点なんだから、当然と言えば当然なんでしょうけど」
「だな。……よし、じゃあ先に進もうか」

 目的地まではまだかかるだろう。俺達はさらに先へ目指し、歩を進めた。



……
………


 その後も折り返しの踊り場に着く度にミニオンとの戦闘を行い、それでも何とか全員大きな怪我も無く、俺達は中枢と思われる場所へと辿り着いた。
 『剣』全体を流れるように巡るマナの中枢であるだろう、マナ溜まりの場所。最早普通に視認出来るほどに濃密に蓄えられたそのマナの中心、そこには浮かぶようにして、一本の剣が浮いていた。その剣の姿形は、この大地に突き刺さる巨剣と瓜二つで──恐らくあれがこの巨剣のモデルとなった、永遠神剣第四位『空隙』なのだろう。
 そして、その場に辿り着いた俺達を迎えたのは、

「よくぞここまで参られました。歓迎いたしましょう。そして、お久しぶりですね、クリストの巫女達よ」

 鈴が転がる様な声で発せられた、そんな台詞だった。
 それを発したのは、頭頂で結わえられた艶やかな黒髪が二房の流線を描いてなびく、炎を象った緋色の文様が描かれた、白い胴当てと袴、腰布や肘から先を覆う袖でその白磁の様な肌を包んだ、鈴の形の髪飾りをつけた少女。

「……あれが──」

 スールードか、と続けようとした瞬間だった。

「グゥッ!」
(マスター!)
(ユウ、大丈夫か!?)

 思わずくぐもった呻き声が漏れる程の、腹に響くプレッシャー浴びせられた。咄嗟に庇った2人から心配する念話が飛んできて、それに何とかな、と返す。

「そして貴方が──此度の、巫女達の“希望”ですか。……ふむ、人間よ。貴方は何故戦うのですか? この世界に起きている事、それは貴方にとって何も関係
が無い事。だと言うのに貴方は、この勝ち目の無い戦いにその身を投じようとする……」

 それは純粋な疑問だったのだろう。小首を傾げ、可愛いとすら思える仕草で問うスールード。今も感じるプレッシャーとまるでかみ合わないその様子に、現状を忘れて思わず苦笑が漏れそうになる。

「……そんなのは簡単だ。この世界で関わった人達が居るから。この世界に生きる人の営みを見てしまったから。守りたいと思えるものが今この世界にあるから。……別に眼に映る全てを守れるなんて思っては居ない。けど、守りたいものは、守りたい人は、仲間たちは、守って見せる!」
「……ならば一つだけ忠告しましょう。──来るのならば、初めから全力で来ることです。それが、貴方達にできる只一つの事なのですから──」

 そんな、ともすれば神々しさすら感じる少女が、ふわりと言う擬音が似合いそうな微笑を浮かべた瞬間──ばさり、と、その背に一対の翼と、その手に一本の剣が現れる。

「……っ!」

 一際強くなるプレッシャーに、身体が震える。……アレで分体だってのかよ……冗談じゃない。『観望』を通して“視れ”ば、濃密なマナが渦巻いているのが解る。
 そしてスールードが俺達に見せ付ける様に、その剣を上から下へ、流れるように一薙ぎした。
 その動きに沿うように、俺達の中を縦断するように走る、一筋の光。
 ──ゾワリ、とした瞬間、叫んでいた。

「っ! 散開!!」

 俺の声に瞬時に反応してくれた皆が、俺とほぼ同時にその場を飛び退った次の瞬間、光に沿うように“空間が裂けた”。その光景に背筋が寒くなる。
 あんなもん喰らったらひとたまりも無い。そう思った直後、俺の元へ地面を滑るようにスールードが急接近してきて、その手に持つ剣を左から右へ、横薙ぎにしてきた。
 俺はそれを左手に長剣に形成した『観望』で受け、右手にもう一本創り出してスールードへカウンター気味に斬り込むが、スールードは姿勢を低くしてそれを躱し、直後身体を回すように今度は右から左へ薙いでくる。
 それを剣から方盾ヒーターシールドへ、右腕に添うように『観望』を形成して受け止め、空いた左手をスールードへ突き付けた。

「『ゲイルランサー』!」
「『氷結フリーゲランス 武装解除エクサルマティオー』!!」

 俺の意図を汲んだナナシが放ったアーツによって生み出された激風は、俺から引き剥がすようにスールードの立ち居地を大きく後退させ、その風に乗せるように放った魔法がスールードの手から剣を弾き飛ばし、衣服を凍りつかせ、砕いて散らした。
 突如陥ったそんな自分の状況に、スールードは小さく「おや」と声を上げ──その隙に接近しつつ槍へと変えた『観望』を突き込む俺と、俺に合わせるように彼女の背後から迫ったゼゥが、刀型の彼女の神剣である『夜魄』を振るう。
 捉えたかと思ったのも束の間、スールードは俺の方へと踏み込みつつ、『観望』をしたから掬い上げるように掌打で跳ね上げ、俺に肉薄してきた。
 しまったと思う間もなく、『観望』に流されるように体勢を崩された俺は地面に倒され、したたかに背中を打ち付けて一瞬息が詰まった。

「ふふっ……今のは少々危なかったですね」

 俺を地面に倒す勢いのままに伸し掛かってきたスールードは、楽しそうに笑いながらそう言った。神々しさすら感じる程の裸の美少女に押し倒されるなんて言う稀有なシチュエーションなのに、全然嬉しくねえ。
 俺が何か言葉を返すよりも早く、駆け寄ってきたルゥが、ルゥの身長ほどもある大剣状の神剣『夢氷』を横薙ぎに振るい、それに合わせるようにポゥが槍型神剣である『嵐翠』を突き込んだ。
 スールードはそれらの攻撃を跳び退るように俺の上から離れて躱し、そこにミゥとワゥ、リーオライナがそれぞれマナを弾丸として撃ち込むも、スールードは更に距離を開けてそれを躱すのが見えた。
 ルゥ達に「助かった」と声を掛けて立ち上がりつつ、既にもう一度衣服を構築し、その手の内に剣を呼び戻したスールードと対峙しなおす。
 ……正直言って想像以上だ。アレに構っていたら、いつまでたっても目的なんざ果たせそうもない。
 そんな考えが頭を過ぎり、周囲で神剣を構えるクリストの皆とリーオライナへと声を掛けた。

「……悪い……五分、いや、三分でいい、時間を稼いでくれないか」

 “剣”に来る前の俺と斑鳩の会話を覚えていたのだろう、皆はそれだけで俺の言いたい事を察してくれたらしく、力強く頷いてくれた。

「任せるがいい、祐。君の背中は私が……私達が、守ってみせる」

 そんなルゥの言葉が嬉しい。

「ああ、信じてる。……レーメ、ナナシ、やるぞ!」
「うむ!」
「はい!」

 その返事を合図に、俺は術の制御に集中を開始し、皆はスールードへと駆け出した。



 今直接攻撃されれば、まず間違いなく、簡単に俺は仕留められるだろうな、なんて思いながら、「任せろ」と言ったルゥの言葉を信じながら、剣戟と爆音をバックミュージックに、俺は只ひたすらに魔力を練る。
 レーメが言うには、魔法に最も必要なのは『想像力イマジネーション』と『集中力コンセントレーション』なのだと言う。特に俺の様な、様々な世界の、ことわりも仕組みも理論も違う多種の魔法を同時に使用する様な者にとっては。
 だから俺は、『想像』し、『創造』した。強大な障害を打倒できる力を。
 とは言えゼロから生み出すには余りにも時間が足りない。ならばどうするか? 簡単だ、どこから持ってくるなり、参考にすればいい。その為の“知識”はあるのだから。
 そして俺達が参考にしたのは、『ダイの大冒険』に出てくる『極大消滅呪文メドローア』だった。
 メドローアは、炎と氷の相反する属性の魔法力を合成する事によって、あらゆる物を文字通り消滅させる性質の魔力弾を作り出す魔法。だがそれを放つには、膨大な量の魔法力と、緻密な魔力コントロール技術が必要となる。残念ながらそれらはまだ俺には無い。
 ではどうする? ……無いのならば、代用すれば良い。
 用いたのは二つの魔法と、二つの術式。
 光と闇の『魔法の射手』と、『ネギま』に出てくる魔法の一つである、『闇の魔法』を構成する術式、『術式固定スタグネット』と『術式統合ウニソネント』だ。
 『多才』のスキルのお陰で、相反する属性である光と闇の魔法の両方を使う事ができたのは幸いだった。
 その相反する属性の『魔法の射手』を、オーラフォトンを緩衝材とする事によって固定させ、『術式統合』によって一つの魔法とする。一見すればメドローアよりも制御が大変そうではあるが、俺一人で全てを制御しなければいけないメドローアと違い、こちらの場合『術式固定』と『術式統合』は、レーメに任せることができる。そしてレーメのサポートをナナシが行うことによって、より確実性を増す。
 要するに、一人じゃ無理なら三人でやればいいって事だ。
 ……そして俺に今出来る事は、限界まで己の力を搾り出す事。
 正直スールードを侮っていた。中途半端な威力じゃ必ず防がれるだろう。だから俺は、己の全てを賭けて、確実な一撃を創りだす!

「……イン・フェル レイ・ウィル インフィニティ 光の精霊150柱  集い来たりて敵を射て!!  魔法の射手!!」

 俺の発した150と言う数に、レーメとナナシの二人がビクリとするのが見えた。
 この数は今の俺の魔力で生成できる最大限の数。だがこの後もう一度、さらに同じ量の魔法の射手を生み出さねばならないため、今の俺にとってこれは無茶を通り越して無帽の域だ。けどやるしかないんだ。必至に時間を稼いでくれている皆の為にも。

「……術式固定」
「……レーメ!?」

 俺の意を汲んだレーメに、ナナシが悲痛な声を上げた。
 レーメはそんなナナシを見て、ただ一度こくりと頷いて。

「……術式固定」

 ナナシが、レーメに続いた。……二人の内面でどんなやり取りがあったのかは知らないけど……悪いな、ほんと。

「……イン・フェル レイ・ウィル インフィニティ 闇の精霊150柱  集い来たりて敵を射て!!  魔法の射手!!」

 先に挙げたが、光の魔法の射手で俺の魔法力はすでに空に近い。だからこの闇の魔法の射手の分は、別から捻出してこなければならない。そう、俺の“身体そのもの”から。
 幸いに、と言ってもいいのだろうか、『観望』を手にしたその時から、俺の身体はマナで構成された『マナ存在』となっている。
 ──マナとは生命の源である。と言うのは、先にロドヴィゴさん達に説明した事だ。だが他の世界になると、マナとは魔力の源であるとも言う。
 果たしてどちらが正しいのか? ……俺の考えは、両方。要するに変化する方向性の違い、とでも言えばいいのだろうか。
 水が熱せられれば蒸気となり、冷やされれば氷となる様に。ある方向ではマナは生命力となり、肉体となる。そしてある方向では、マナは精神力となり、魔力となるのではないか、と。
 先にも言った様に、魔法に必要なものの一つは『想像力』だ。
 だから俺は、想像し、創造する。己の身体を構成するマナを、魔法力へと!

「……術式固定」
「……術式固定」

 ズルリと、己の身体から何かが抜ける様な感覚。ソレと同時に、自分自身そのもの・・・・が希薄になった様な奇妙な感覚。
 ……まだ、大丈夫。

「……オーラフォトン……展開っ!」

 更に自身のマナを練り、己の中でオーラフォトンと化し、『魔法の射手』を包むように、混ぜるように、流し込む。

「……術式統合!」
「……術式……統合っ!」

 レーメに続いたナナシの声が響いたその瞬間──俺の手の中に顕現する、赤黒く光る、穂先から30センチ程まで、下がるに連れて傘のように広がった穂先を持つ3メートル程の槍。矢印の形を想像してもらえれば一番解りやすいだろうか。

「……っ」

 一瞬目の前が真っ暗になり、足元がふらついた。
 耐えろ、俺。まだ倒れるわけには行かないんだから。
 俺達にとって今やるべきことは、スールードを倒すことじゃない。この『剣』を止めることだ。……狙うのは、今にも臨界に達しようとしているマナ溜まりの中心にある神剣。槍を構え、狙いを定める。
 ……名前と言うのは、重要な要素だ。
 魔法にしろ技にしろ、名をつけられて初めて、真の威力を発揮する事ができるという。
 だから俺は、ただ“貫け”と想いを篭め、この魔法の名を、解放し、『空隙』へ向けて、解き放つ!

「──神槍『スピア・ザ・グングニル』!!!」

 その瞬間──
「くっ……あああああああ!!!!」
 一筋の閃光と、スールードの叫びが、この場を満たした。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/07/19(木) 03:55:01|
  2. 永久なるかな ─Towa Naru Kana─
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