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夢幻の残響

二次創作なんかを書いてみたり。

Another Phase05:もしもの話。いつかの話。

 「バレンタインのプレゼント。誰かにあげる予定は?」

 とある場所・・・・・で、幾人かの子に問われた質問である。



・A:アリサ・バニングスの場合。

「ん~……まぁ、パパかなぁ。あとはなのはやすずか、フェイトにはやて……友チョコかなあ。え、男子……? 無い無い」

 バッサリですか。



・A:月村すずかの場合。

「男のひとであげるのは、お父さんかな。あとはアリサちゃんと同じで……なのはちゃんとアリサちゃん、はやてちゃんにフェイトちゃん……」

 クラスの男子とか、好きな人には? と言う追加の問いに、苦笑を浮かべるすずか。

「男子にあげる予定はない、かなあ。好きな人……って言えるような人もいないし……」

 だよね、と同意するアリサと顔を見合わせ、うんうんと頷くすずか。
 アリサと比べると幾分やんわりと。けれどもこちらもバッサリと。



・A:八神はやての場合。

「バレンタインなぁ……そうやねえ。まずは家族やろ。あとはなのはちゃんにフェイトちゃん、すずかちゃんにアリサちゃん……」

 その辺はやっぱり同じなのね、と言う言葉に、「そらそうやねえ」と笑うはやて。

「あとはクロノ君とユーノ君に」

 おや、新しい名前。と耳聡く聞き留めた様子に苦笑を浮かべて、「お世話になっとる人達なんよ」と答えるはやて。
 終わりかな? と思ったところで、「それに……」と続けた後、一瞬言いよどんで。

「……葉月さんかなぁ」

 ポツリと一言。
 その前までに上がった人達とは違う雰囲気で出された名前に、「なになに?」と勢いよくアリサが問いかけ。

「ん~……以前に、大きな迷惑かけてしもうた人なんけどな。その上、返しきれへんぐらいの恩をくれた人で……何て言えばええんかなあ……」

 若干しんみりとした感じで言ったはやて。
 直ぐに気を取り直したように「とにかく」と言葉を続け、

「感謝だけやのうて、いろんな想いを籠めて贈りたい相手、やね」

 そう言って朗らかに笑った。



・A:高町なのはの場合。

「バレンタイン? えーっと……お父さんとお兄ちゃん、ユーノくんにクロノくん……」

 先程聞いた名前がまた出てきましたね、との言葉に、まあ共通の知り合いやしなとはやて。

「フェイトちゃん、はやてちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん……」

 指折り数えていくなのは。
 その様子に、ふふっと微笑み合うアリサとすずか。

「あとは……葉月さん」

 と、また同じ名前が。
 アリサとすずかも知らない名前のようで、なのはもなの? とお互い疑問に思っているよう。

「私にとっての葉月さん? えっと……始めは、助けを求める声に応えたいって思った。もちろん今もその気持ちは変わらないけど……今は、それだけじゃなくて。……ん~……なんて言えばいいのかなあ……」

 と、考え込んでしまったなのは。
 はやては、言い表せない感覚は何となく分かるよと、同意と言うか理解と言うか。
 一方でアリサとすずかは、うーんうーんと考え込むなのはの様子に顔を見合わせ、何となく雰囲気は解ったから今はいいわと、その場を収めに掛かった模様。



・A:フェイト・テスタロッサの場合。

「バレンタインにプレゼントをあげる人? ……えっと、葉月と……クロノ、ユーノ……あとはなのはとはやてと、アリサとすずかにももちろん。あ、アルフも欲しがるよね」

 つらつらと名前を挙げていくフェイトだけど、最初に上った名前は件の人。それを聞いたすずかが、フェイトちゃんもなんだ? と声を上げる。……クロノくんとユーノくんも、共通の人物なのだけど。
 三人とも……特にフェイトは、名前を挙げた時の雰囲気が違うのが引っかかったのか。
 次いでアリサが、はやてとなのはに訊いたように、フェイトにとっての『葉月さん』がどんな人なのかを訊いてみると……。

「え、ええ? 私にとっての葉月、って……えっと、その……ええっと……」

 動揺。
 次いで赤面。
 フェイトちゃん落ち着いて、となのはに宥められて、大きく深呼吸。

「は、はぢゅきは……」

 噛みました。

「……葉月、は……“私”を必要としてくれて……私が弱さを見せちゃった時も、受け止めて、受け入れてくれて。……うん、私にとって葉月は、とても、大切なひと、だよ。前にね、葉月が言ってくれた。私が喜ぶと、自分も嬉しいって。私が悲しむと、自分も悲しいって。……私も同じ。だから私は、葉月の力になりたい。葉月を助けて、葉月に助けられて……支え合って行きたいって……」

 内心を吐露し出したら止まらなくなってしまったのか、頬を朱に染めながらもそこまで言ったフェイトは、ようやく言葉を止める……というか、そこで我に返ったといえばいいか。
 周りの様子を見れば、うわーうわーって表現がピッタリか。
 その瞬間、フェイトは耳まで真っ赤になって。

「──~~……!」

 思わず逃げ出した。


◇◆◇


 その日、フェイトを召喚したところ、手に持っていた何かを即座に後ろに隠された。
 ……何だ? と一瞬疑問に思ったけれど、フェイトだって見られたくないものは当然あるだろうし、喚ぶタイミングが悪かったかと反省する。……とは言え、事前に連絡出来ない以上、どうしてもこういうことはあるのだけど。
 ……と、考えていることが顔に出たのか、フェイトが慌てたように「あ……ち、違うの!」と声を上げた。
 違うって、何が? と言う疑問の声を上げる間もなく、「とりあえずなのはとはやても喚んでほしい」と言うフェイト。なのははいつも通りだけど、はやても?
 まぁ、元々今日はサブパートナーははやてを喚ぶ予定だったし、と言うことで、なのはとはやてを連続で喚ぶ。
 ──カシャン、と球状魔法陣が砕けて消えて、ほぼ同時に現れた二人。そしてほぼ同時に、先程のフェイトのように何かを後ろ手に隠す二人。……えぇ。
 するとフェイトがすぐに、はやてを挟んでなのはの反対側に並び……顔を見合わせて一度頷き合った三人が、同時に手に持った何かを差し出してきて──

「いつも頑張っている葉月さんに」
「私達からの、バレンタインのプレゼントや」

 なのはとはやての言葉から、差し出された物の正体が判明して。
 ……そうか、今日は二月十四日、か。
 月日の感覚が曖昧になるこの場所で、こうしたことをしてくれるのは、助かるし、何より嬉しい。
 ……と思ったところで、「……あの、なのは、はやて……言わないとダメ?」と、フェイトが何かを躊躇っていた。

「だめー!」
「だめや~」

 あっさりとだめ出しをされ、「うう」と唸りながらも、フェイトも手に持ったそれを差し出してきて。

「た、たくさん愛情を込めた、から……」

 何と言うか、こう、流石に俺も顔が熱い。




※なのは:直径十センチちょいの正方形の箱に、直径二センチ程のハート型のホワイトチョコレートが沢山入っている。
※フェイト:なのはと同じ程度の箱に、丁度収まるぐらいの大きさの、ハート型のミルクチョコレートが入っている。
※はやて:横十センチちょい、縦五センチ程の長方形の箱。中は五×二で区分けさえて、直径二センチ程の、丸いチョコレートが十個並んでいる。味はスイートからビターまでのアソート。
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コメント

おかえりなさい

更新を一日千秋の思いで、待っておりました

やはり、風鈴さんのフェイトは素晴らしいと言わざるをえません。
あまあま、堪能させて頂きました(笑)

あと、それを見ていたアルトリアの反応もちょっと気になるところですね

最後に葉月。末永く爆発しろぉ!(笑)
  1. 2018/02/14(水) 01:47:07 |
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  3. 冬馬雪 #-
  4. [ 編集 ]

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