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夢幻の残響

二次創作なんかを書いてみたり。

Phase89:「終局」

 フェイト達の世界での戦闘時間も割と掛かったため、戻ってきた時には『第三層』での戦いも終わりか、その近くにはなっているのではないか……なんて考えも有ったのだけど、その期待は裏切られることになった。……悪い意味で。

 向こうの世界での戦いでは、体力も魔力も出し尽くしたようなものだったけれど、幸いにして気を失うようなことは無かった。今回はそのお蔭で助かったのだが。
 球状魔法陣に覆われた視界は移り変わり、『第三層』の草原へと変り──目の前には、武器を構えた黒い鱗・・・のリザードマンが。
 この第三層に出現するグラス・リザードマン達は、草原に溶け込むような緑色の鱗をしていたはず。

「グギャラギャラグギギアアアア!!」

 明らかな異常状態に、リザードマン達の言語が解らずとも、明らかに異常だと解る叫び声を上げ、手に持った長剣を振り上げてこちらに向けて駆けて来た。
 疲労感の強い身体に鞭打ち、ヘビーブレイカーを振り回して迎撃する。
 振り下ろされる敵の剣と、こちらの大剣がぶつかり合い、相手の武器を大きく弾くが、こちらもまた追撃できないほどに押し戻された。
 ……冗談だろう。いくらこっちが疲労困憊だろうと、ヘビーブレイカーは超重量の剣だ。持ち手である俺には重量軽減が働いているが、相手にはその重量がそのまま襲いかかっているはずだというのに。
 恐らく狂化バーサークでも掛かって力の箍が外れているのだろう。
 体勢を立て直し、再び襲いかかってきたリザードマンの攻撃を剣を立てて受けると、そのまま無理矢理押し切ろうとでも言うのか、まるで体当たりするように剣を押しつけてくるリザードマン。
 ヘビーブレイカーには『不壊』のエンチャントが掛かっているし、それを抜きにしても、今リザードマンが持つ剣でヘビーブレイカーごと俺を斬ろうとするのは余りに無理がある。……やはり、正常な判断を下せなくなっていると見て良いんだろうな、これは。
 そう思ったところで、不意に背後から飛来した矢が、目の前で遮二無二剣を押しつけて来ているリザードマンの眉間に突き刺さり、その身を魔力に返した。
 流石にちょっとビックリした。
 振り向いて見れば、弓を持ち、こちらに駆けてくる瑞希と、その後ろを周囲を警戒しながら着いてきている稲葉さん達。……今の矢は彼女のか。

「葉月、大丈夫? 怪我はしていない?」

 俺のすぐ側まで来た瑞希は、そう言いながら、確かめるようにポンポンと触ってくる。
 「大丈夫だよ。流石に今の矢はビックリしたけど」と言うと「あ、それは、ごめん」と言いつつも、確認作業は止めない。
 どうしたんだ一体? と思って訊いてみれば、あの時・・・のように突如俺が消えたのが見えたから、また大怪我でもして戻ってきたんじゃないかと思ったらしい。
 ……いや、流石にそう何度も……と言いたいところだけど、実際はまた大怪我する可能性も有ったんだよなぁと思うと何も言えない。
 ともあれ今は五体満足で無事なので……と収めてもらい、遅れて近づいて来た稲葉さんに一体何があったのかを訊いたところ、思いも掛けない答えが返ってきた。

「長月君の姿が空中で魔法陣に包まれて消えて、少ししたところで、突然空が曇りだしてね。その直後、戦場全体に『黒い雷』が降り注いだんだ」

 その時点で、今までの経験からも、一体その雷が“何”に落ちて“どうなった”のかが想像出来てしまった。
 思い出されるのは、ズィーレビアに落ちてその身体を変異させ、マリス・ズィーレビアと化したもの。倒したと思ったクルルカントへ落ち、その身体を変異させようとしたもの。
 モンスターの存在を歪ませ、『黒い魔力』を纏わせる悪意の進化。

「……その結果が、黒いリザードマンですか」
「解るのかい?」
「ええ、似たような経験があります」

 稲葉さんは「ふむ」と一つ頷くと、言葉を続けて状況を説明してくれた。
 それによると、アルトリアが放った一撃によって、ダンガ・ルヘイアもろとも本隊を消し飛ばされたグラス・リザードマン達は、戦意を喪失させて散り散りに逃げだそうとしたらしい。
 それらを『プレイヤー』達が追撃しようとしたところで、例の黒い雷が降り注いで、リザードマン達を貫いたと。
 その途端、リザードマン達の鱗は黒く染まり、その体躯は膨れ上がり、異音としか形容できない声で叫び声を上げながら、逃げるのを止めて『プレイヤー』達へと襲いかかってきた。
 突然の変化と暴走に『プレイヤー』達も驚いたらしいけれど、それまでの経験から油断さえしなければ問題無いと気を持ち直して迎撃に当たり──それまでとは明らかに違う膂力と、凄まじいまでの暴力。そして知性を感じさせない狂乱に、幾人かが問答無用に斬り殺されたらしい。

「そこからは地獄絵図さ。何人やられたかも解らないよ。それに……『黒い雷』はオークの側にも落ちていたから、向こうも相当被害が出ていると思う」

 リザードマンこっちオークあっちも戦闘自体は既に終息し、今は残党狩に移っているとのことだけど、暫くは今回のように組織立って動くのは無理だろうとのことだ。
 これで次の階層の突破条件がここと同じようなものだった場合、下手をすれば“詰み”になることも有り得る……と言うのが稲葉さんの予想らしい。
 そんな状態で、みんなよく無事で……と言うと、彼は苦笑交じりに「それこそ経験則だよ」と言う。

「第二層で『ピラミッド』から、あの蛇竜が出てきた時も、ピラミッドに黒い雷が落ちていたからね。今回も何か良くないことがあるんじゃないかって、警戒していたんだ」

 稲葉さんの説明に「なるほど」と頷くと、「今度はこっちから訊いてもいいかな?」と言う稲葉さん。
 ……やっぱり気になるよなぁ。彼等の前で俺は何度か『召喚』していて、その時に発生する球状魔法陣が俺自身を取り巻いて、それとともに消えたのだから。
 どう言ったものかと言いよどんだ俺に、稲葉さんは「話すと不味いことかい?」と問いかけてくる。

「不味いというか……他に知られると面倒というか、トラブルの元、ですかね?」
「……瑞希の口ぶりからすると二度目のようだけど……」

 チラリと瑞希の方へ視線を向け、再度こちらに向き直る稲葉さん。……あー……なんか大体察してそうな気がするな。

「……『前回』は“蒐集”されて、『今回』は『闇の書の闇』です」
「……なるほど、そういう事か。確かにそれは……トラブルの元だね」
「ええ。ちなみに発動条件はよく解りません。少なくともトリガーは“あっち”みたいなので……」
「了解。この件は他言無用にしとくよ」

 通じてくれるかは解らなかったけど、必要最低限の単語で伝えてみると、恐らく大まかに予想はしていたんだろう、割とあっさりと納得してくれた稲葉さんに、「ありがとうございます」と告げる。
 さて、いつまでもこんなところで話している訳にもいかないか。
 稲葉さん達はこの後どうするのかと訊いてみれば、もう暫くこちら側を見回って、狂化したリザードマンがまだ居ないか見て回るそうだ。

「じゃあ、俺も手伝いますよ。……と言っても体力も魔力もスッカラカンで、召喚も出来ないような状態ですけど」
「いや、助かるよ。俺達も似たようなものだしね」

 そりゃそうかと互いに笑い合って、皆と共に見回りに向かい……暫しの後に、俺達の第三層での戦いは終わりを迎えた。


◇◆◇


 パーティ『疾風魔団』。
 パーティリーダーである『神速』が率いるパーティであり、つい先程終局を迎えた第三層での戦いにおいても、『軍神』率いるパーティと、最後まで戦果争いをし続けた実力派パーティである。
 オーク側の陣地で戦った者達は、誰も彼等の働きを疑うものなど居ない。だが、彼等──正確に言えば、パーティリーダーである、【ユニークスキル】『神速』を持つ畑中神哉はたなかじんやは、納得いっていなかった。
 第三層での戦い。彼等は『軍神』達と並び、オークのボスと激戦を繰り広げていた。
 もう少しで倒せる……と言うところで降り注いだ、黒い雷。
 それによって急激にパワーアップしたオークボス。
 苦戦しつつも戦い続け、あと一息……と言うところで、『軍神』パーティの『勇者』にラストアタックを奪われた……と言うのが、彼の認識である。
 功名心の強い彼にとって、ボスの撃破と言う名誉を奪われた……と言うのは許しがたいことであり──その場で『勇者』に文句を言うも「手前ぇ等が弱いのが悪いんじゃねえか」と侮辱され、乱闘になりかけたほどである。
 『軍神』達の他のメンバーや、自分のパーティメンバーに取りなされ、その場は抑えた彼であったが、気が晴れた訳もなく。

 ──だったら、第四層は俺達が攻略してやろうじゃねえか。

 彼がそう思ったのも当然の帰結か。
 休息もほどほどに、彼はパーティメンバーを引き連れ、他の誰よりも先んじて第四層へと足を踏み入れる。……少し落ち着いて、ちゃんと休憩を取ろうよ、と言う仲間の声に耳を貸すことなく。
 そうして踏み入れた第四層。
 そこで彼等は、“悪夢”を見る。

「──な……だ、コイツ……なんだ、コイツ、なんだコイツはああ!!」
「──くそ、魔法が……魔力が、なんで……!」
「──来るな、来るな来るな来るなああ!」

 阿鼻叫喚。
 混迷と暴虐と蹂躙の果てに、『神速』たる【ユニークスキル】を持ってようやく只一人・・・逃げ帰った彼が持ち帰った、仲間が最期に告げた『アナライズ』結果。それが、彼等が第四層に降りた末に得た、たった一つの成果であった。


---

名前:『徘徊する悪夢ナイトメア』腐竜・ザーランド
カテゴリ:unknown
属性:unknown
耐性:unknown
弱点:unknown
「                                                               」

---


◇◆◇

※※【ユニークスキル】がレベルアップしました!※※

□【ユニークスキル】のレベルアップに伴い、累計召喚時間よりメインパートナーを選定します。
□□確定:メインパートナー:『フェイト・テスタロッサ』

『キャラクター召喚・Lv4』
・メインパートナー:『フェイト・テスタロッサ』
 :術者の知る創作物のキャラクターを召喚することができる。連続召喚時間は最大3時間。送還後、召喚していた時間と同時間のスキル使用不能時間ディレイが発生する。
  メインパートナーは派生スキルに関わらず召喚することができる。但し、連続召還時間、スキル使用不能時間については通常どおり適用される。
  派生スキルの効果を除き、1日に於いて召喚できるのは、メインパートナーを除き1キャラクターのみである。これをサブパートナーとする。
  派生スキルの効果を除き、連日で同じキャラクターをサブパートナーにすることはできない。1日の基準は午前0時であり、それを基準にしてスキル使用不能時間もリセットされる。
  召喚可能サブパートナー
  『アルトリア』
  『十六夜咲夜』
  『八神はやて』
  派生スキル
  『連鎖召喚チェイン・サモン』:残召喚時間を半分にし、召喚中のキャラクターに関係する人物を追加召喚する。連鎖召喚中の時間に応じて加算されるスキル使用不能時間は2倍になる。前提スキル『キャラクター召喚・Lv2』『召喚師の極意・Lv2』。
   【召喚可能キャラクター】
     フェイト・テスタロッサ:『高町なのは』
     アルトリア:召喚不能
     十六夜咲夜:unknown
     八神はやて:『リインフォース』
   ・該当する特定異世界との接続が拒絶されました。『アルトリア』の状態により、『アルトリア』の連鎖召喚が無効化されます。
   ・『アルトリア』の連鎖召喚無効化に伴い、『アルトリア』のスキル使用不能時間に減少補正が掛かります。

  『多重召喚マルチ・サモン』:サブパートナーの残召喚時間を半分にし、現在召喚中のキャラクターの他に、召喚可能サブパートナーの内から二人を召喚することができる。二重召喚中の時間に応じて加算されるスキル使用不能時間は2倍になる。
  多重召喚において召喚したキャラクターに係る連鎖召喚は、召喚時間半減等の使用に対する条件が存在しない代わりに、莫大な魔力を必要とする。前提スキル『キャラクター召喚・Lv4』『召喚師の極意・Lv4』

  『反転召還リバース・サモン』:特定条件を満たした、強い“絆”を結んだ召還可能キャラクターの世界へと召喚される。連続召喚可能時間は3時間。術者の意識の喪失等でも送還される。再使用には、召喚可能キャラクターが再度特定条件を満たす必要がある。前提スキル『連鎖召喚』『絆を結ぶ程度の能力』。


※※【スキル】がレベルアップしました!※※

『召喚師の極意・Lv4』:パッシブ。特定条件を満たす事により、最大召喚時間が延長され、スキル使用不能時間ディレイが減少する。被召喚者に能力補正++。
──力を想いに、強さを心へ。縒り合う想いは絆となりて、想いを遂げる導とならん──。
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  1. 2017/08/01(火) 01:36:19|
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